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真夜中のパーティ

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原題: The Boys in the Band
原作・脚本: Mart Crowley
監督: William Friedkin
出演: Kenneth Nelson, Peter White, Leonard Frey, Cliff Gorman, Frederick Combs, Laurence Luckinbill, Keith Prentice , Robert La Tourneaux, Reuben Greene

内容紹介: ゲイ・ピープルが脚光を浴びる以前の1970年。米映画界が初めて本格的にホモセクシュアルを取り上げた衝撃の問題作!

男を愛するがゆえに、差別されるマイノリティーたちの一夜のパーティー。人を愛し、嫉妬し、傷つけ合い、悩み、悲しみながらも生きてゆく。人間の持つ性を9人の男たちのウィットと皮肉を含んだ会話で表現し、乾いた笑いの中で現代の孤独と失意を描き出した秀作。1968年オフ・オフ・ブロードウェーで上演され、1000回にも及ぶロングランを記録した大ヒット作。主演者は全員舞台のオリジナル・キャストがそのまま起用され、その迫真の演技が絶賛された。監督は本作で注目され、『フレンチ・コネクション』でアカデミー監督賞を受賞した名匠ウィリアム・フリードキン。


感想: この映画は、『セルロイド・クローゼット』でも紹介されているように、初めて本格的にゲイを扱った作品だ。それまでは、ホモセクシュアルは映像上タブーとされ、厳しくチェックされていた。それだけに、1968年の舞台・1970年の映画化は、とてつもない大反響を負ったことだろうと思う。この監督は、『エクソシスト』でも有名だ。

前半の明るいゲイ・テイストいっぱいの雰囲気に酔っていくと、後半のどろどろした内容に思わず面食らってしまう。「えっ、この映画って、そういうもの?」といった感じだ。

『真夜中のパーティー』と題されているが、原題は『The Boys in the Band』つまり『縛られ抑圧されてきた者たち』なのだ。だから、後半では、ゲイであることの苦しみ、ゲイであることから来る苦しみが語られていく。胸を抉るような展開なのだ。それを、前半に酔ってしまった私は、ただ茫然と見ているしかなかった。

今野雄二氏が、この映画に次のようなコメントを寄せている。

このパーティーは、いみじくもホスト役のマイケルが言うように、交通事故の現場に立ち合わせた気分を参会者のすべてに味あわせることになる筈だ……即ち、見たくはないのに、どうしても目をそらすことが出来ない、という状況が展開されるのだから。

かつては浮き浮きするような楽しさを意味した<ゲイ>という言葉さながらに始まった陽気で明るい男たちのパーティーが、いつしか屈折した感情のおもむくまま次第に陰惨な修羅場へと化していく有様を目のあたりにしながらも。もう誰もそこから立ち去ることはできない。--中略--この『真夜中のパーティー』も眺める角度を変える毎に、思いもかけぬ一面がさらけ出してみせるというスリリングな謎を、たっぷりと秘めているのである。

今野氏はハロルドの存在に非常に興味があるようだ。このパーティーは、ハロルドの誕生日パーティーという設定になっている。ハロルドは、ゲイでしかもユダヤ人。それが、ホスト役のマイケルの投影であるのではと考えているのだ。

いずれにしても、この映画の後半こそが、この映画のタイトルそのものを描き出していると言えるだろう。いや、そうじゃない。前半の陽気な雰囲気も、後半の鬱屈したものを吐き出す部分も、すべて私たちだったのだ。その私たちを、この映画は解放してくれたのだと思う。

自分の性と生を隠し、生き続けなければない苦しみ。挙句の果てに、そんな自分をどこまでも否定し、認めようとしない者。マイケルも、その重圧にもがき苦しんでいた。この映画を見ながら、私はふとヴェルサーチの言葉を思い出した。確かこんな内容だったと思う。

『この世で最も不幸なのことは、自分を少しも愛さないことだ』


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