Latest Movie :
Home » , » 司祭

司祭

{[['']]}
原題: Priest
監督: Antonia Bird
脚本: Jimmy McGovern
出演: Linus Roache, Tom Wilkinson, Cathy Tyson, Robert Carlyle 他

内容紹介: 95年、全米である一本の映画の公開中止を求める声が上がった。カトリック連盟はボイコットのCFをテレビで流し、遂にはローマ法王が抗議の声明文を発表。CNNやニューズウィークなどのマスコミで論争の的になったその作品こそが『司祭』である。数々のタブーに挑みながらも、感動溢れるラストに観る者全てが共感の涙を禁じ得ない真のヒューマンドラマである。

理想に燃える若く美しい司祭グレッグ。しかし彼には秘密があった。夜になると、僧衣から黒の革ジャンに着替え、ゲイの集うバーで男との出会いを求めていたのだ。しかしある告解の日、高校生の少女から父親との近親相姦の告白を打ち明けられた事が、思いがけず彼自身の内密の行為の暴露へと展開してゆく。レイプされ続ける少女を救うために、グレッグは果たして告解の秘密厳守の掟を破る事が出来るのだろうか…?(日本コロンビア)


感想: カトリックという言葉を聞くと、私などはすぐに『敬虔な』といった言葉が浮かんでくる。しかし、この映画はとても人間臭い。グレッグの教会外での姿を見てると、そのことをとても感じる。司祭とて、私たちと何も変わらない人間なのだと。

本来、宗教は人間を解放するためのものではなかったかと私は思うのだが、グレッグはまさにカトリックの司祭であるがゆえに、少女と我が身のためもがき苦しむのである。

告解の秘密厳守について言えば、グレッグは父親にやめさせるべく、いくつか方法を試みるのだが、結局は己の無力に絶望し、涙し、主の御前に救いを求め訴えるのだった。そして、偶然にも父親と少女の関係が母親の知るところとなり、グレッグは母親に知っていながら黙っていたことを責められるのだった。

ゲイであることについては、彼が恋人と車の中で行為に及んでいるときに警官に見つかり、司祭であることが、マスコミを通して教区民にも明らかにされてしまう。彼は自殺を試みるが、教区を離れ、別の地へと去ってしまう。しかし、結果、戻ることになったのは、彼の同僚のマシュー神父の説得だった。

復帰後初めての祈り。戻った彼を受け入れられず、その場を立ち去った信者もいたが、彼は残った信者たちと祈りを捧げた。そして、グレッグから聖餅を受けようと、彼女の姿が…グレッグは、彼女をひしと抱きしめ、涙するのだった。

『人間理解』と『許し』…これこそが私たちに必要な教えではないのだろうか。ひとの痛み・苦しみを理解し、ひとの罪を許す。グレッグは、少女の苦しみを理解し何とか救いたかった。だが、それが出来なかった。それを阻んだのは何だったのか?グレッグはなぜゲイではいけないのか?何がそうであることをいけないとしているのか?理解も許しも、そしてまた解放もない教えとは、一体誰のための教えなのだろうと疑問を持ってしまう。

だが、映画の最後では、そのふたつともが許されている。少女はグレッグを許し、グレッグが自分の為に苦しんでいたことを知った。グレッグがゲイであっても、そこに残り、共に祈りを捧げる信者がいた。ひとを理解しないところには、何も生まれない。ひとを許すことがなければ、自分を責め苛む者たちを、いつまでも闇の中に彷徨わせることになるのではないだろうか。一体、真の救いとは何か?この映画は、問いかけているような気がする。


『同性愛』ブログ・ランキング⇒FC2 Blog Ranking
Share this article :

Post a Comment

 
Support : Creating Website | Johny Template | Mas Template
Copyright © 2014. GAY MOVIES - All Rights Reserved
Template Created by Creating Website Published by Free Blogger Templates
Proudly powered by Blogger