ウェディング・バンケット

Movies, ウェディング・バンケット,

{[['']]}

原題: Hsi yen
A.K.A.: The wedding banquet
監督: Ang Lee
脚本: Ang Lee, Neil Peng
出演: Mitchell Lichtenstein, Winston Chao, May Chin, Ah-Lea Gua, Sihung Lung　他

内容紹介: ニューヨーク……そこは成功を夢見て世界中の若者が集う街。ウェイトン（ウインストン・チャオ）は、この夢の都で不動産ビジネスを成功させ、市民権も得ている台湾出身の青年。スポーツ・ジムで理学療法士として働く白人の恋人サイモン（ミッチェル・リキテンシュタイン）と一緒に何不自由なく幸福に暮らしている。だが、彼のただ一つの悩みは、台湾にいる両親のこと。一人息子が同性愛者だとは知らない両親は、彼の結婚と孫の誕生を待ちこがれているのだ。強引に見合いをさせられるたびに適当な嘘でごまかしてきたウェイトンだったが、またもや台湾からはるばるやって来た見合いの相手の口から、父親が心臓発作で入院していると聞かされショックを受ける。老い、弱っていく両親のことを考えると、ますます秘密を打ち明けようもない。

そこで、見兼ねたサイモンが思いついたのが、偽装結婚。ちょうど、ウェイトンの所有する古い倉庫で窮乏生活をしている上海出身のアーティストの卵ウェイウェイ（メイ・チン）に２人は同情していた。ウェイトンと結婚すれば彼女はグリーンカードを手に入れられる。ウェイトンは、両親を安心させ、かつサイモンとの生活を守るため、この『名案』を実行に移す。

ところが、事はそう簡単には済まなかった。結婚のことを知らせてやると大喜びの両親は、結婚式に出席するべくアメリカまでやって来てしまった。仕方なくウェイトンとウェイウェイは市役所で形ばかりの結婚式を挙げるが、立派な式を望んでいた両親をかえって悲しませてしまう。そこで中華料理店でせめてものお祝いのディナーを企画すると、店の主人は偶然にも両親の知人。昔の恩義に報いたいという主人の好意で、その店で盛大な結婚披露宴を開く運びとなってしまう。にわかに張り切る両親と、戸惑いながら準備に追われるウェイトンたち。

そして迎えた披露宴の当日。ウェディング・ドレス姿のウェイウェイは見違えるように美しく変身した。宴が佳境に入ると、友人たちのドンチャン騒ぎはエスカレート。ウェイトンは苦手な酒を無理やり飲まされ、ダウン寸前。宴が果て、ホテルの部屋に落ち着いたウェイトンとウェイウェイを友人たちが再び襲う。あの手この手の乱痴気騒ぎで新婚初夜を『演出』し、最後は２人を裸でベッド・インさせてようやく引き揚げていく彼ら。そして、疲労困憊のウェイトンに対し、ウェイウェイは思いがけない行動に出て……

セクシャリティ、同性愛、グリーンカード、家族など、様々なテーマを織り込んだ、1993年ベルリン国際映画祭グランプリ〈金熊賞〉受賞作。（ビクターエンターテイメント）

• The Wedding Banquet - Wikipedia
• Xi yan (1993) - IMDb

感想: 笑いあり涙あり、そしていろんな愛にあふれた映画です。特に印象に残っている場面は、披露宴で友人たちに囃し立てられ、ウェイトンはウェイウェイと口づけをすることになります。席に戻ると、恋人のサイモンがウェイトンの唇をすぐにハンカチで拭うんです。このやきもちを焼く場面が、それまでの状況も合わさり、とても笑えました。

そして、ウェイトンとサイモンが恋人同士であることを、ウェイトンの両親別々に知ることになります。しかし、両親はそれぞれ知りながらも、お互いそれを打ち明けたりしないのです。父親は、サイモンの『何故、知っていて何も言わないのか』という問に答えます。『それはわからない。でも、家族を守るため』と。

私は、この映画を見て、カミング・アウトについて考えさせられました。私自身そうですが、会社の同僚や、ノンケの友人、恐らくは家族も、私がゲイであることを薄々感づいていると思います。彼らは、その上で、何も変わらず私に接してくれています。殊更に、『俺はゲイだ』と告げることで、もしかしたら、それまで保たれていた何かが崩れてしまうのかも知れません。その『何か』は、わからないのです。わからないから、今の幸せを壊したくないから、ウェイトンの父親は、息子がゲイであることを知りながらも口にすることはなかったのではと思うのです。カミング・アウトする前に、何も言わずともわかってくれている彼らの優しさを受け入れることも、実は大切なんではないかと。そんなことを、私は思っていました。

• ウェディング･バンケット [DVD]（Amazon.co.jp）
• The Wedding Banquet（Amazon.com）
• The Wedding Banquet（tla gay.com）

『同性愛』ブログ・ランキング⇒FC2 Blog Ranking