BOYS LOVE

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監督・脚本: 寺内康太郎
出演: 小谷嘉一, 斎藤工, 松本寛也, 谷口賢志 他

内容紹介: 女の子が観たい、きれいな"男の子の同性愛"を描く、ボーイズラブ入門編！小谷嘉一、斎藤工ら人気俳優が耽美で切ない恋愛模様を熱演する。

平凡な毎日を送る雑誌編集者・間宮諦信(小谷嘉一)が、偶然取材で出逢った人気高校生モデル・如月のえる(斎藤工)。態度こそ乱暴なものの、のえるが描いた海のイラストに強く惹かれた間宮は、取材後食事を共にし意気投合するが、そのレストランのトイレで、のえるは性急に間宮の身体を求め出す。翌朝、編集部にのえるの事務所から「担当者が無礼を働いた。謝罪に来い」との電話が入る。のえるの家に謝罪に行く間宮だったが、そこで見たものは薄汚い男と交わるのえるの姿だった…。(エースデュースエンタテインメント)

• BOYS LOVE - Wikipedia
• Boys Love (Video 2006) - IMDb

感想: お疲れさまって感じですかね。やっぱやおい系はこの域から脱せないんだろうな。

一時注目を浴びてたから、どんなのかと見てみた。で、ここに載せようかどうか迷ったんだけど、BL系好きなゲイもいるだろうし、かく言う私も始まりはBLだったから気持ちもわかります。

まず、何で『如月のえる』という名前なのか？これだけでも、あっ、いかにもBLだと知ることになってしまう。で、ストーリーはイケメンがいて、その気はないのに惹かれていくノンケがいて、ずぶずぶとはまってしまう。でも、ずぶずぶはめるようなシーンは決して出てこない。で、その一見華やかに見えるイケメンには実は深い心の傷があって、それを癒していくのが恋の相手になるんだけど、そこには必ず邪魔が入る。幼い頃からずっと好きだったなんてのも定番の設定ではないだろうか。そして、物語は、その邪魔者が引き起こす悲劇へと進んでいく。つまり、『死』…そこに『許されない愛』への永遠の許しみたいなもの且つ清純な愛の育みを捉えようとするのがBLなのかな？

で、ゲイとして見ての感想は…やっぱり、お疲れさまの一言でしょうか。まっ、ケツ・フェチなんで、斎藤工のケツを見られたのはとてもそそりました。ぶち込みてーとか思ったけど、いかんいかん、それを思っては世のBLファンが怒るというもの。

ここからは真面目に感想を…小説も出ているようだけど、映画のノベライズだろうか。まず間宮はノンケなのかホモなのかの設定が今ひとつ不明だった。たぶん、ノンケなんだろうけど。強引に襲われ、如月に惹かれていく間宮の心境の描き方が、ちょっと薄い感じがした。

メールのやりとりや泳ぎ方を教わるシーンなんかは、見ていて付き合い始めのカップルそのもので、ここは自分もちょっと照れ臭かったりした。

如月の幼馴染みのチヅルが、間宮と如月との関係に嫉妬して、それが狂気となっていく様は素直に見て取れたと思う。でも、最後は如月がチヅルに刺されて、その死んだ体を間宮が背負って(背負ったシーンは出ては来ないが)、電車に乗って、如月の思い出の絵の海へと如月を抱きかかえながら入水していくってのは、さすがにそれはないだろうというのが正直な感想。

以前、何かの感想でも書いたけど、悲劇に終わらせることで、何をしたいのかがわからない。BLはどこまでも少年たちの愛と美をしか求めないものであるなら、恐らくは僕らゲイの本質はわからないだろうと思う。まぁ、BLファンにしてみれば、まったく別物だと言われるんだろうけど。

ホモ＝異常・罪だから、それを悲劇や死によって昇華させようとしているのだろうか。そうなら、所詮相互理解は無理なこと。

こういうのを見ると、ついつい思ってしまう。BLならぬOBL（オールド・ボーイズ・ラブ）つまりはオヤジ・ラブものでも流行るようなら、日本もゲイへの理解が進んだかなと思うのだが。同じ設定で、イケてないオヤジ同士の話にしてごらんと言いたい。一体、どれだけの女性が見てくれるだろうか。というか、同じゲイでもフケ専しか見ないかな？

ただ、ひとつ思うのは、BLが発端にしろ、やはりゲイへの理解が進むのはいいことだと思うのだ。きれいなところからしか入れないのなら、それも最初は仕方ないのかなと。だから、これからもBLの映画化は賛成で、少しずつ僕らに近付けていってほしいなとも思うし、願うのだ。

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