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お・こ・げ

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著者: 中島丈博

内容紹介: 友人と知らずに行った海水浴場(実はホモのハッテン場)で、小夜子はホモのカップル剛と栃彦(妻帯者)と出会う。数日後、小夜子は友人に誘われ、とあるゲイバーに行くが、そこで偶然ふたりに再会、彼らと意気投合する。

逢瀬を交わす場のない(剛の家に母親が強引に住み始めた)彼らに、小夜子は好意的に自分のアパートの一部屋を与え、剛、栃彦のホモカップルとおこげ小夜子の奇妙な関係が始まる。

ふたりの傍にいられることで、この上ない幸福感を抱く小夜子。ところが、栃彦の妻に剛との関係がばれてしまい、剛と栃彦は別れ、ふたりとも小夜子のアパートから遠ざかってしまう。

一方、見合いが発端で、息子がホモであることを知った剛の母は、悩んだ挙句、小夜子に剛との結婚を迫る。だが、当の剛は、栃彦と別れてからゲイバーで時折見かける自衛隊あがりの栗原に好意を抱いていた。しかし、栗原はノンケで、小夜子の方に興味を持ち、ある日強引に彼女に迫る。小夜子も剛への思いから、栗原に体を許してしまう。

そして、月日は流れ、剛の母は入院後他界。小夜子は栗原の子を生んでいた。だが、栗原との生活は、サラ金に追われるなど最悪だった。そんな生活から子供を抱え逃げ出してきた小夜子を、剛とオカマたちはヤクザ相手に雨の中大乱闘を繰り広げ救出する。剛は、小夜子と子供をマンションに連れていき、ここで一緒に暮らそうと言うのだった。


感想: この作品は、1992年に映画化されている。上野のホモ映画館で、私はこの映画を見た。村田雄浩・中原丈雄・深沢敦・竹田高利らが出演。それから数年の後に、この本を偶然古本屋で見つけ、数少ない日本のゲイ映画の本として、今でも大事に持っている。

『おこげ』という言葉は、当時大流行したように記憶しているし、今でもゲイの友達を持つことにひとつのステイタスを感じている女性は多いのではないだろうか。だが、彼女らが、果たしてゲイのことをどれだけ理解しているのかは疑問なのだが。

小夜子の生い立ちは複雑だった。幼い頃に遠縁の親戚にもらわれ、その旦那がアメリカ人だった。愛情に恵まれ普通に育ったのだが、その親戚の死後、再び生家へと戻ることになる。そこでの環境があまりに違い過ぎたことと、実父の愛情への誤解から、家を出て一人で暮らすようになる。小夜子の心は、愛情に飢えていった。

この物語は、男と女の友情とも取れるが、私は、愛に飢えた者が自分の居場所を見つけ出すまでの過程を描いたもののように思える。その居場所が、ただホモの剛だったということだろう。なぜホモかと言われても、それは小夜子の選択肢のひとつでしかない。小夜子自身の中にこそ、その決定要因はあったのだと思う。

ひとを好きになるのに理屈がないように、自分の居場所を決めるのにも、まず感情が先に来るのではないだろうか。ホモに対する偏見もストレートに描かれてはいるが、何よりもそこを自分の唯一の居場所とする者もいるということは、現実でも同じだろうと思う。オカマにくっ付いているから『おこげ』というのはただの呼称で、お互い安らぎを交換できる、これもひとつの愛情のつながりだと言えよう。そして、小夜子の生き方を、是とするか非とするかも、ひとそれぞれだろうと思う。

個人的に言うと、私はゲイだから、女性には恋愛感情は芽生えない。だから、常に友人同士のような付き合いになる。それを居心地良しとして、恋愛に限らずいろんな話を本音で言ってくる女性も少なくない。ひととひとの結びつきは、自分たちがどう向き合うかに尽きるのではと思うのだが。


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