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さらば、わが愛 覇王別姫

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原題: 覇王別姫
A.K.A.: Farewell My Concubine
原作・脚本: 李碧華
監督: 陳凱歌
出演: 張國榮, 張豊毅, 鞏利, 黄斐 他

内容紹介: 京劇俳優養成所で女役として修行する蝶衣は、幼い頃から苦労をともにした男役の小樓をいつしか愛するようになる。やがて二人は花形のコンビとなるが、小樓が元娼婦の菊仙と結婚することになり、蝶衣は深く傷つく。相手役に友情しか感じない小樓、蝶衣に競争心を燃やす菊仙、許されない愛を貫こうとする蝶衣……。日本軍による占領、文化大革命など、激動の中国を背景に描く愛と憎しみ。カンヌ映画祭グランプリ受賞作の原作。(ハヤカワ文庫)


感想: この映画を見るたび、張國榮の死を悼まずにはいられない。彼の作品を初めて見たのは、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』だったろうか。その後、彼が歌手であることも知り、CDを一枚購入して聴いたことがある。端整でどこか幼さの残る顔立ち。その歌声は、甘くやさしかった。ひとりのゲイとしても、彼の突然の死は、私にはとても衝撃だった。

彼の死を知ったとき、私は、まさに『覇王別姫』の蝶衣そのものではないかと思った。映画での蝶衣は、時代やひとがいかにあろうとも、小樓への愛を貫き、最後に覇王別姫のごとく、首をかき切り自ら命を絶つ。

娼婦だった母に捨てられ、蝶衣は京劇の俳優養成所で暮らし始める。娼婦の子と馬鹿にされた彼を庇いぬくもりを与えたのが小樓だった。彼の中で、小樓への想いは永遠のはずだった。二人の間に割ってはいるものはないと。だが、菊仙が蝶衣の前に立ちはだかる。男同士の友情としか感じていなかった小樓に、蝶衣の中で燃え滾る愛は知りようもなく、ふたりは結婚する。愛と憎悪が渦巻く中、更に時代が彼らをのみ込もうとしていた。運命に翻弄される彼らの、人間の弱さも強さも露にした生きざまは、言葉では言えない重さをもって迫ってくる。

この作品は、確かSMAPの稲垣吾郎さんも好きな映画に名を挙げていたと思うが、三時間を越える超大作だが、何度見ても見る者を唸らせる。

私はなぜ、この作品が好きなのだろうか。それは、運命に翻弄されていく人間の弱さが描かれているから。こんなはずではなかった、どうしてこんなことになってしまったのかという弱さが表されているからだろう。しかし、その中で、蝶衣は小樓への愛だけは貫き通した。そこに、人間の強さを見るからだろう。運命に流されるのが弱さであり、それに打ち勝つのが強さとするなら、ひとは誰しもその両方を持ち、自分がどちらに向かうかは、やはり自らが操るあるいは操られない歯車ゆえなのだろうと思うのだ。


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