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おこげ

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原作: 中島丈博
監督・脚本: 中島丈博
出演: 清水美砂, 村田雄浩, 中原丈雄, 深沢敦, 竹田高利 他

内容紹介: 92年に公開された『牡丹と薔薇』の中島丈博監督作。ふたりのおかまとおこげ(=おかまにくっつく女の子)の奇妙な恋愛模様を描くドラマ。ある日、小夜子は女友達と出掛けた海でおかまのカップル、剛と寺崎に出会い、意気投合するが…。

本の紹介はこちらから。

感想: 92年公開の映画を、本の紹介でも書いたようにその数年後上野の映画館で見た。そこはハッテン場で、土曜の深夜に行ったのを覚えている。

ただ、土地柄自分にとっては年配のひとが多くて、モーションをかけられてもひたすら断り続けて夜が明けた。上映されたのは「おこげ」とポルノ映画だったような気がするが、覚えていない。

「おこげ」は映画が先で原作が後という順番で自分は触れたのだが、原作を読んでからまた見たいとずっと思っていた。中古店を探してもなく、知らぬ間に去年の初めにDVDが発売されていたのを知ったのは最近のこと。漸く再び映画を見ることが出来た。

映画館で見たときもそうだったが、やはり十年ほど経った今でも一番好きなシーンは変わらなかった。

それは、サラ金の取立てに追われ、赤ん坊を抱いたまま逃げてくる小夜子に剛を始めとしたオカマたちがみんなで戦うシーン。乱闘シーンなのだが、どうしても自分には温かい微笑ましいシーンに映ってしまう。なぜだろう?

偏見と差別から逃げるようにあるいは隠れるようにしている僕らが、社会の何がしかの敵に戦いを挑んでいるような気がするからだろうか。それも、ひとりという孤独な戦いではない。みんなで力を合わせて戦うのだ。下手すると、ジーンと感じてしまうのは自分だけだろうか。

92年公開の映画。確かに、今見ると平成の時代にありながらどこか昭和の匂いが漂っているような雰囲気がする。だが、それがとても味になっている。二丁目の通りも自分が何度か行った店も映ったりして、そこかしこに懐かしさを感じることも出来た。

初めて見たときもそうだったが、やはりこの映画はとても温かい。時が過ぎても、また箱を開けて見てみたくなる映画だ。

たぶん、正直な映画だからだろうと思う。ゲイの描写にも嘘がない。結婚後、家庭を持ちつつも自分のゲイを否定して生き続けることに疑問を持つ栃彦。老後の母親を抱えながら、ゲイであることをカミングアウトして生きていく剛。ふたりの濡れ場も決して隠そうとしない監督の姿勢が見られて納得の行くものになっている。

自分がゲイであることに温もりを感じられる映画。だから、また見たいと思ってしまうのだろう。

これ以上のゲイ映画を日本映画で見るのは、なかなか難しい気がする。並ぶものはあっても、数が限られている現実が少しさみしい気がする。


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