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三島由紀夫―剣と寒紅

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著者: 福島次郎

内容紹介: 四半世紀を経て綴られる作家の実像。身に潜む「同性愛」の芽を感じてきた著者が、不世出の作家との「秘かな交際」を明かす衝撃の文学。

感想: 作家の福島次郎さんは、今年2月亡くなられた。76歳だった。

『バスタオル』と『蝶のかたみ』で2度芥川賞候補になり、98年故三島由紀夫との交際をつづった小説『三島由紀夫―剣と寒紅』を発表。それが、この本だ。

福島氏の本を読みながら、三島由紀夫とはどういう人物であったのか。同じゲイとして見ている自分がいる。恥ずかしながら、私は三島由紀夫の本をこれまで読破したことがない。同性愛を扱った『禁色』や『仮面の告白』のどちらも途中までしか読んでいない。だが、この本は読み始めると、最後まで読み終えずにはいられなかった。恐らく誰も知り得ない三島由紀夫の姿(ゲイであることを含む)が描かれているからだろう。

没後35年にあたる2005年、妻夫木演じる『豊饒の海』も映画化され、再び三島由紀夫の存在が再びクローズアップされた。同じ男色者として、三島由紀夫とはどんな人物であったのか。福島氏の本はそれを教えてくれる。福島氏と三島由紀夫の性関係は勿論のこと、三島の作家としての在りようなども垣間見ることが出来る。

『バスタオル』という作品は、芥川賞候補にもなった同性愛小説だ。私のような好き者は、『バスタオル』という題名だけでそそられてしまう。作品の内容は、教師と男子高校生との同性愛関係。残念ながら、入手は困難で古本屋を探し回ることになりそうだ。福島氏自身、『三島由紀夫-剣と寒紅-』で述べているように、高校教師として教壇に立っていた当時、高校三年生との逢瀬を重ねている。だから、ますます興味が湧く。

同じゲイ=男色者として、古き時代を生きた者たちがいる。今もそれは変わりはないが、当時の抑圧された性の世界で、自己を認識しそれに沿って生きていくことはやはり難しかったろうと思う。同じゲイとして、福島氏のご冥福をお祈り申し上げたい。今、福島氏は、恐らく三島氏との再会を喜んでいるだろう。「君とはまた水入らずで語り合いたかったのだ」と喜ぶ三島由紀夫の声が聞こえてきそうである。


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